2022.3.13. 「ミロ展 日本を夢見て」
薄曇り。暖かい。春の陽気。
午後から二人ででかけた。今日は夕方にBunkamuraで開催中のミロ展を予約しておいた。その時間まで春の花を観に散歩しようと新宿御苑へ行くつもりだった。が、直前になって「混んでいたら困る」と予定を変更した。現在、新宿御苑は1時間あたり入場者を2000人限り制限している。
渋谷駅に到着。久しぶりにヒカリエの11階へ。劇場がやっていなかったので人はほとんどいないなか、渋谷の街を見下ろした。まだスクランブルスクエアの展望階へ行ったことはないが、ここでも十分楽しめる(無料)。東急東横店が解体作業中だったが、こんなに狭いエリアのビルだったっけ?と思う。それほど周りのビルが広くて高いものに建て変わった。なんていうか、建物のスケール感が変わり、渋谷の街が再規定されている印象。
B2階にあるパン屋さんで昼飯を買い、宮下公園へ向かう。渋谷川(暗渠)の角を曲がると、遊歩道の先に宮下公園のビルが立ち上がっているのが見える。女房は初めて見たようだ。そんなに渋谷を歩いてなかったっけ?ああ、前回は桜ヶ丘の方へ行ったんだったね。たしか去年の4月・・・。
エスカレーターで4階に上がると、空中庭園があった。庭園というよりも運動場かな。スケボー場やボルダリングジム、人工砂場もあって、全部有料で利用できる。意外とリーズナブルな料金だな、と思ったが、渋谷区民か渋谷に仕事場がある人向けだった。区外は倍だそーだ。
カウンターがあったので、そこをとまり木に昼飯を食べる。柵の外はJR線が走っている。山手線はいつの間にか全部新型車両に入れ替わっていた。湘南新宿ラインと埼京線がたまに走っていく。そうか、成田エクスプレスもこの線を使っているんだね。新宿の先はどこをどう通って成田へ向かうんだ?
代々木公園。何かイベントを開催中だった。規模は小さかった。陸橋を渡って公園に入るも、花はほとんど咲いてないねぇ・・・。中央の池付近は芝の養生という名目で区切られて入れない状態。
池ではカラスたちがきもちよさそうに行水の真っ最中。けっこう”長湯”みたいだよ。
もちろんソメイヨシノは蕾もほとんど膨らんでいない状態。で、池の右手奥に咲いている桜が見つかった。河津桜のような色をしている。写真を撮りにひとだかり。渋谷らしくコスプレして写真を撮っている人も多数。春めいてきたねぇ。
Bunkamuraへ向かう。宇田川緑道を歩き、神山町の7差路あたりは奥渋通りを歩いた。
で、Bunkamura到着。入場すると、思ったよりも混んでいた。人気あるなぁ。まだ作風の固まっていない初期はゴッホのように浮世絵(?)をコラージュしたような作品もあり、日本への憧れのようなものがにじみ出ていた。風景画を描いていたミロが、突然抽象画を描きだす。この間に何があったのか。ものの解説によれば「(画家では食べられず)空腹すぎて幻覚を見るようになった」のがきっかけとか。断食修行のイニシエーションみたい・・・。まあ、それで「自分」の内面と向き合えて自分の画風を引き出せたんだから、それも一つの悟りかもしれないな。
ミロの絵で特徴的なのは色や構図だけど、やっぱり描かれる”眼”に惹かれてしまう。彼にはそういう”眼”が「見えていた」んじゃないかしら。そりゃ見えていても「見えている」なんて言わない。見える人は常に少数で、見えない大多数から変人扱いされるだけだから。言わずとも彼にはそれを描いて表現する手段があった。見えたものを描いていたのかもしれないなぁ。
面白かった。夢中で女房に見た感想をべらべらと喋った。喋りながら渋谷の街に向けてシャッターを切っていた。
13792歩 8.9km 515kcal 39.3g