2023.12.17. 「屋根裏のラジャー」
よく晴れている。
今日は二人で川崎まで「屋根裏のラジャー」を観に行くつもり。
昼過ぎに出て、いつものようにパン屋さんでイートイン。100均に寄ってから映画館へ。東口はおよそ1年ぶりになるのか・・・。
で、映画。閉店する書店。その店の娘さんがアマンダ(演・鈴木梨央)。彼女が想像で創り出したお友達(イマジナリー)がラジャー(演・寺田心)。アマンダはラジャーと一緒に想像のなかで冒険する。二人の約束は<泣かないこと>。
ラジャーは想像されたお友達なので他の人には見えない。が、ラジャーの存在を嗅ぎつけて一人のオジサンが訪ねてくる。丸メガネに赤っ鼻のオジサンの名前はバンティング(演・イッセー尾形)。実はこのオジサンがクセモノで、他の人が想像したイマジナリーを”食べて”自分の想像力を維持しようとしている(!)。彼が連れている真っ白い顔をした黒髪の少女とともにラジャーを付け狙う・・・。
絵がすごい。とにかくキレイで動きも緻密。登場人物たちのエフェクトというのか、質感がCGと絵の具の中間のようなニュアンスで、ちょっと見たことないような現実感がある。
お話の前半はこの物語の世界観(設定)を紹介しないといけないため、ストーリーが薄めで今何を見せられているのか見失いそうになる。が、ラジャーの誕生した経緯が語られるあたりからグッと物語全体の進むスピードと緊張感が増して面白くなっていく。
なぜアマンダに父親がいないのか。母親が営んでいた書店を閉店するのはなぜか。アマンダとラジャーの約束がどうして<泣かないこと>なのか。次々と伏せられていた物語線が描かれていく。
物語の鍵を握るバンティングというオジサン。この人がどんな感じで誕生したのか、を描いてくれたら良かったが、脇役ということで省略されてしまった。彼もまたイマジナリーを創る側の人間ということだったが、もしや創られたイマジナリーの成れの果てじゃなかったか、という気もした。消えていく運命に逆らい、他人のイマジナリーを食べていくうちに怪物化した、とか。
面白かった。
公開初週なのにお客があまり入っていなかったのが気になった。お子さんよりも大人向けに作られている作品なので、宮崎駿作品が好きな人なら観に行ったほうがいいと思います。
10793歩 5.3km 198kcal 15.1g