2023.9.3. 「ふたりのマエストロ」

晴れている。

午後から大雨の予報。「映画なら出かけるよ」と女房に言われたので、渋谷まで映画を見にいくことにした。
Bunkamuraル・シネマ渋谷宮下で公開中の「ふたりのマエストロ」。フランス映画だ。
渋谷宮益坂下の交差点。Bカメラのビルに入っている映画館。Bカメラは数えきれないくらい行ったことがあるけど、渋谷東映時代も含めここの映画館へ行ったことがなかった。
窓口でチケット。まだ上映時間まで間があったので、あたりをぐるりと一回り。ハチ公前交差点を右折して公園通り。西武前は大盛堂書店のビルと丸井のビルが解体されていた。渋谷はどこも再開発しているなぁ。ひょっとして西武も建て替える計画とかあるのかな。
宮下公園を横目に渋谷川遊歩道を歩いて再び宮益坂下交差点。インバウンドの象徴的な存在・◯◯◯カートの集団が通り過ぎて行った。

さて、映画館。エレベーターで9階へ。ドアが開いたら真っ暗(^^;。いや、ちゃんと営業中。外とのコントラストありすぎ。大人の映画館を演出してるんだろうね。待合室にはカフェが設置されていて、たしかにBunkamuraな雰囲気だった。
映画館は全席指定。シューボックス型のホールに、急な傾斜がなくてスクリーンを全席少し見上げるタイプ。これはこれで見やすくていいね。

で、映画。舞台はフランス・パリ。マエストロ(指揮者)親子のお話。父は40年のキャリアを持つ気むずかしやのマエストロ。息子はそんな父に反発を覚えつつも自らのキャリアを伸ばして名誉ある指揮者賞を受賞している。映画はその授賞式から始まる。家族は出席して祝福してくれたが、父親はその場に居なかった。
父親マエストロ。ある日のオケのリハーサル中に電話がかかってくる。ミラノ・スカラ座の音楽監督就任を打診する電話だった。ところが、それは息子に依頼するはずだった話を父親に伝えてしまった間違いだった・・・。「すでに父の心はミラノにある」と本当の事を伝えられた息子は苦悩する。どのように伝えるべきか。悩んでいるうちに就任予定の9月は近づいてきた・・・。

リハーサルのシーンでベートーヴェンの第九・第2楽章を振る父親マエストロが「ボールが弾むように」と演奏するイメージを伝えたりする。そういう音楽現場の描写はうれしい。”気むずかしや”である父親の描写をいくつも積み上げた上でスカラ座からの依頼を人生最良のことと喜ぶ流れは物語を盛り上げる。息子はますます本当の事を言いづらくなる。とはいえ、リッカルド・ムーティの後任と言われては就任を断るわけにはいかない。小澤征爾の演奏ビデオを見たりして準備は進めていく。
ここまではよかった。

いよいよ息子マエストロがスカラ座の舞台に上がる日。客席には呼び寄せた家族も座っている。が、そこに父親の姿はなかった。ああ、やっぱり父親はこの場には来なかったのかな。
演奏会が始まりモーツァルトが鳴り出すと、舞台袖からもう一人の指揮者が現れた・・・。
わりと現実的なドラマを描写をしてきて、最後にイマジナリー全開の場面を”どうですか!いいでしょ!”と出してこられると困惑する(^^;。途中まではよかったのになー。
映画館を出て女房に話を振ると「依頼先を間違えたら間違えた方が責任を持って訂正の連絡をするべきでしょ」という話。ああ、そこで引っかかってましたか(^^;。そこはワタシあえてスルーしましたけども。

劇場に置いてあった映画のチラシを見ると、そういえばラストシーンのネタバレがドーンとド真ん中に宣伝されていた。
5407歩 3.7km 231kcal 17.7g

渋谷
NIKON P340
2023年09月03日 | Posted in 甘露日記 | | Comments Closed 

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